GibsonとFenderが王道なわけ

今や数多くのギター、ベース等の楽器メーカーがある中、今だ定番として

君臨し続けるギブソンとフェンダー

なぜこの2社の楽器が愛され必要とされ続けるのか?

片やそうでないメーカーが好まれるのにはもちろんその人にとっての理由もあるが

デジタル化の影響で麻痺しかけてそれらを使っているユーザーも多分にいる気がする。

 

そこで今回は、先の2社の優位性、メーカー的指向性、またそれらがもたらす

影響について考察してみます。

 

 

 

そもそも演奏者がいい演奏をするに一番大事なことは何か?

 

早く指が動くことでもなければ正確にリズムを刻めることでもない

 

 

感情

 

 

より感情が入るように演奏者の気分がのる、またさらに高めてくれるものがあるとしたら

それはとてつもない強みではないだろうか?

 

別に鼻から何か粉的なものを吸えと言っているわけではない(笑)

楽器がそうさせてくれるのだ。

 

この2社、ギブソンとフェンダーはその秘訣を知っており、それが楽器に強く色濃く

反映されている。

 

 

わかりやすくアコースティックギターで対極な存在としてテイラーと比較してみます。

 

youtubeでとても参考になる動画を挙げられているAcoustic Letterさんの

お力を貸していただき聞いてみましょう。

 

 

まずはTaylor 614ceと814ce

4:32~4:50あたりのバッキングをご覧いただくとわかりやすいと思います。

楽器の鳴り方に注目してみてください。

 

 

 

次にGibson Hummingbird

2:00~2:18あたりのバッキングをご覧いただくとわかりやすいと思います。

 

 

 

いかかでしたでしょうか?

 

さっと聞いた感じとしてはどちらもいい感じに聞こえます。

(もはや私にはHummingbirdの鳴り方で胸がキュンとさせられるのですが)

しかし、実際弾いてみると違いは歴然です。

 

テイラーの方はとても和音の響きがよく、弱く弾いてもホールの音が

しっかり鳴り、芳醇なホールの音がなるとともに音が立ち上がって飛んでいきます。

(エレアコですが、録り方に関係なく素の状態でも鳴り方の質はあのままです)

 

 

対してギブソンはあまりホールが鳴らないのです

正確には弱く弾いた時にはホールは鳴らないが強く弾いた時にだけ鳴り、

ホールが鳴りすぎない構造がゆえにすぐに音が減退し、切れの良い音がします。

また、ホールの鳴り方も独特で弦が鳴る音やピックや指が擦れる、はじく

アタッキーな音をかき消すほどホールは鳴りません。

 

 

つまり、意志を持って弾いた音がそのまま音となり、そのダイナミクスの

ある音に更に高揚し良いプレーへと導いてくれるのです。

シリーズ、国(USAだったりメキシコ、JP等)によっても多少傾向は違いますが

ギブソン、フェンダーのメーカー的指向は変わりません。

 

対してテイラーはホールが鳴りすぎるがゆえに演奏者が思った以上に音が鳴り、

音が伸び過ぎてしまうことも少なくないです。

 

使い方次第ではありますが、リズムが基本的にあるポピュラーミュージックにおいて

2社のパーカッシブなところはとても強みであり、聞いている人間をのらせることも

抑揚があるからこそ心を揺らすのも容易なことでしょう。

 

テイラーのような楽器は楽器がおまけのように扱われている場合のフォークソングや弾き語り、

ギターやベースがまず目立ってはいけない状況、環境音楽には適していると思います。

 

 

例えば馬に乗っている人がいるとして、思ったよりも速く走られてスピード落とせ!と

なっている人と、もっと飛ばせ!と鞭を打っていた人がいたとしたら

どちらが気分がのっていると思いますか?

 

演奏もスポーツと同じで興奮、高揚、気分が上がることはとてつもない

アドバンテージです。

気分がのっていると普段以上の、自分自身がビックリするくらいの演奏ができてしまうものです。

 

 

これは他の楽器でもいえることなのですが、ピアノで言えば、あれも叩くように弾くと

気持ちいいように楽器自体がパーカッシブな部分をしっかりと持ち、それらを人間が

意志を持って出すという本来の楽しさが大事であると思います。

 

逆に出すぎる音を抑えてすっとぼけたような音やノリを出すのも手ですが、

それはそれらよりも遥かに上級的なうえに特殊すぎもします。

そっちの世界に望んで足を踏み入れようものならもれなく変人とされるでしょう(笑)

 

 

私は嫌いじゃないですよ(笑)

 

 

アコースティックギターでそのまま話を続ければ、間をとっているのがマーティンだと

思います。

 

 

根本的には同じなのでここからはアコースティックに限らずエレキ楽器も含め複合的にお話ししますが、

 

パーカッシブな要素のあるメーカーの値段的な差で言えば、安いほどピッチが合いづらく、

強く弾いても弦の音がそのまま増強されただけような音の出方が

高い楽器になるとピッチが安定してきて、強く弾いた時に弦だけではないホールの芳醇な音

も鳴り全体的にボリューミーでバランスのいい音になります。

ギターの5、6弦のハイフレットで弦をギリギリと擦る音も耳に痛すぎない絶妙な音色になります。

もちろん楽器自体の質が変わるという意味ではなくあくまでグレードアップという感覚でです。

 

 

ただ、このことに気が付かないと気が付いている人よりもデメリットが多くなります。

 

片や音が切れずらい楽器、片や音が切れやすい楽器

 

つまりは音が切れやすい楽器はそのコントロールができていないとより下手に聞こえてしまうのです。

 

そして音の切れにくい楽器は普段の自分よりもうまく弾けているように錯覚してしまいます。

 

なので音の切れずらい楽器に錯覚的感動を覚えそれを買いがちなのですが、

だからといって音の切れずらい楽器を持ち(明確な理由もなく)、それがアクティブでましてやデジタル

マルチエフェクター等に繋ごうものなら持つものに多大な影響を及ぼされる人間としては

ミュージシャンとしてあまりよくない方向に行ってしまいがちです。

 

 

また、その方向に行ってしまった人に音の切れやすい楽器を渡してみても

「あ~パーカッションっぽい時に使う系ね」とそれくらいの認識しか起こらなくなったりもします。

 

ここには世界のトップクラスのミュージシャン(クラシック、ドラマー等全体的に)がグルーブをコントロール

する上での根本的なことが関係しているのですがその答えは秘密にしておきましょう。

 

 

ベースで言えば音が切りやすい、音が切りにくいはさらに深刻な問題になるでしょう。

 

フェンダーのベースはなぜボルトオンばかりか想像ができますか?

 

ボルトオンだと音は切れやすいのですがフェンダーはそこだけではありません。

持ってみたことのある方はわかると思いますがフェンダーのベースは華奢なのです。

 

華奢でバランスが完璧すぎないと全部の場所で同じような音は鳴りません。

しかし、これは先ほどの心理と同じで結果ダイナミクスへと繋がります。

 

 

上記の通り、ギブソンとフェンダーは演奏者が心地よくなるようなポイントを

知っており、それに知らずとも魅了されたプレイヤーはまたそれを求めているが故に

昨今の需要へとつながっているのではないでしょうか?

 

 

しかし、先ほどにも挙げた通りデジタルマルチエフェクターはそれらを強制的に

切れずらい音、ダイナミクスに乏しく細い音にしがちです。

また、それらをインターフェースにライン入力で録音しようものならさぞかしです。

その音は10万円程の楽器と100万円する楽器の差さえなくしてしまう程でしょう。

 

もちろん人には好みや用途がありますのでそれは自由であるべきものです。

 

ただ、最後に何を述べたいかといえば、そのものの持つ性質や用途を

正確に把握せずに便利というだけで使ってしまいすぎると危険ということです。

 

別に論理的にわかっている必要はありません。

むしろ感覚でわからないといけないことだと思います。

 

この難しさも音楽が芸術の一環である所以かもしれません。

故に私は皆が音楽的であることに感動してもらえると信じていたいのです。

 

 

いかがでしたでしょうか?

楽器の指向性、またそれらがもたらす影響についても意見を述べさせてもらいました。

 

みなさんも知らない楽器を触れる機会があったら是非触ってもらい違いを

楽しんでいただけたらと思います。

 

長々とした文章でしたが読んでいただきありがとうございました。

 

 

p.s

 

私は7年前くらいにTaylor 614ceを購入していたのですが、当時Gibson Hummingbird

も試し弾きをさせてもらって感動はしたのですが、音の綺麗さにTaylorを買いました。

 

しかしその音の綺麗さはすぐに飽きてしまいました。

弾いていても楽しくなく、延べ100時間も弾くことはなかったと思います。

 

ただPops等目立たないものとして、ピッチの正確さから録音には幅広く使えるから・・・

アコースティック楽器が自分には元々合っていないんだ・・・

あのキレの良さはフラメンコ(クラシック、ガット)ギター独特なものなんだ・・・

と体よく理由をつけ勘違いをしていたことに最近気づきこの記事を書きました。

 

正直あの時試し弾きで1分も満たない時間を弾いただけの記憶が、高揚が忘れられず

後悔をしていましたが、ちゃんと気づけたので心置きなくTaylorを売り

あの愛しいHummmingbirdを手に入れようと思っています。

 

ちなみにHummingbirdは同じGibson Acousticの中でも特にパーカッシブ性が強い

印象がありました。